そう。 あれは、牛だった。 完全にね。
この前、いい古材が手に入った。
保育園の遊具に使われていた材で、解体した際にもらったのだ。
ホゾの部分や雨ざらしで変色した色がいい風合いになっている。
ということでこいつをそのまま利用してベンチにリメイクしようという話になった。
脚も鉄で作ってもらって、軽く塗料を塗って。
確実に店舗関係やナチュラル生活に憧れている奥様に売れるのはみえた。
とりあえずその日僕は打ち合わせがあったので、相方の叔父に塗装と掃除を任せた。
2時間くらいして、工房に戻って来た。
脚をどんなんにするかちょっと考えようと思っていると材が見当たらない。
僕 「あれ?あの古材は??」
叔父 「あぁ、あれなら塗料塗って外に乾かしてんでぇ」
僕 「外あったっけ?まぁ見てくるわ〜」
ちょっと探してみたら、それはあった。
いや、マジか!?
マジか!マジか??
こんなに古材の味わい消すことできんの??
てか奥に置いてあるホースと全く色一緒やん!!
てかこんな色の塗料どこにあったん!?
それ以前にこれあの木か!?
えっドッキリ??
予想もしない事態に心の声がだだ漏れです。
僕 「ちょっと、ちょっと!これどうしたん!?」
叔父 「いいやろぉ、ちょっと塗ってみてん♪」
僕 「・・・俺は普通にオイルとかで仕上げる感じかと思ってんけど」
叔父 「なんかそれやったらおもんないやん、そんなんその辺売ってるし。」
その言葉にまた衝撃が走った。
自分がいかに守りに入ってしまっているかを認識させられてしまった。
確かに売っている。ちょいと堀江の方とかナチュラルなお店に売っている。
僕は既にあるものをただマネをしていただけだった。
学生の頃は、なんだかんだで尖っていた。
マネなんて絶対嫌だったし、自分のオリジナルを、おもしろいものを追求していたのに
とうとう売れるかどうかでしかものを見れなくなってしまっていることに気づかされた。
叔父さんは今でも現役で感覚は尖らせている。
もともと目指していた大人の像がこんなにも近くにいたのか。。。
僕 「・・・確かに。これはこれでいいかもね。ポップで」
叔父 「そうやろっ、でも下の色がまだ出てるからもう一回重ね塗りするわ♪」
その上妥協を許さない性格ときた。
ぐうの音も出ません。
ただこれだけ言わせて下さい。
「こんなん売れるか!!」
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